鍼・灸・あん摩マッサージ指圧の違いと、症状別ガイド

鍼(はり)・灸(きゅう)・あん摩マッサージ指圧。

名前は聞いたことあるけど、「結局どう違うの?」というご質問、とても多いです。

実はそれぞれに“得意分野”があり、症状によって使い分けることで、効果は大きく変わります。

このコラムでは、鍼・灸・あん摩の特徴と、症状別の組み合わせの一例をわかりやすくまとめました。

1. 鍼・灸・あん摩マッサージ指圧の基本的な違い

鍼(はり)とは?

髪の毛ほどの細い鍼でツボを刺激する施術

鍼は髪の毛ほどの非常に細いステンレスの鍼を使って、ツボや筋肉にアプローチします。

私が使う鍼は線径0.12〜0.2mm。

一般的な注射針(約0.6mm)と比べると、極細で痛みはほとんどありません。

  • 肩こり・腰痛
  • 自律神経の乱れ
  • 眼精疲労・頭痛
  • 急性痛(ギックリ腰やギックリ首など)にも慢性痛にも◎
  • 深部にスッと効く

こうした”体の奥“のトラブルに特に効果を発揮します。

灸(きゅう)とは?

温熱刺激で血流を改善し自然治癒力を高める施術

お灸は、もぐさを使って心地よい温度でツボを温める伝統的な施術です。

私の行うお灸施術は、温かく心地の良いお灸です。

火傷になるような熱くて痛みを伴うお灸はいたしません。

  • 冷えや慢性疲労、巡りの悪さ
  • 血流改善
  • 自律神経の乱れ
  • 生理痛・PMS・ホルモンバランスの乱れ
  • 産前産後の体力低下

などに特に優れています。

温熱効果でリラックスもでき、女性のケアととても相性が良いのが特徴です。

あん摩マッサージ指圧とは?

手技で筋肉・関節・気血の流れを整える施術

あん摩:直接肌を触らず、洋服や手ぬぐいなどの上から、内から外に向かって「さする・圧迫する・揉む・叩く」

マッサージ:オイルやクリームなどを使い、筋肉や皮膚を滑らす・流すように施術するスタイル

指圧:指や手のひらを使って一点をゆっくり押す施術

これらの技術を使って、筋肉や経絡の流れを整えます。

  • 全身の緊張・姿勢の偏り・血流改善
  • 肩こり・背中の張り
  • 全身の疲労
  • リラックスしたい時

筋肉のコリをほぐしたり、姿勢のバランスを整えたり、心身をリラックスさせる効果があります。

2. 鍼・灸・あん摩マッサージ指圧をどう使い分ける?

お身体の状態を診て組み合わせますが、こんな時はこの施術が多いかなという例をご紹介いたします。

急性の“ギックリ系”(腰・首・背中)

→鍼が最優先

炎症や筋肉のスパズム(ぎゅっと固まった状態)が非常に強いです。

急性炎症が起きている時は温めは厳禁ですが、急性期を過ぎたら必要に応じてお灸で回復を促すこともあります。

慢性的な肩こり・腰痛

鍼+あん摩マッサージ指圧の組み合わせ

表層だけでなく、深層のコリまでほぐれるため、持続効果が高いです。

産前・産後の不調

→鍼+灸+あん摩マッサージ指圧

冷え・筋力低下・呼吸の浅さが絡むため、温めて緩めて整えるのがベスト。

優しい刺激を中心に行います。

逆子であれば灸はマスト。

産後の骨盤矯正や筋力低下による不調には、簡単なトレーニングを取り入れることもあります。

冷え・胃腸トラブル・ホルモンバランスの乱れ

→灸が主役

灸で芯から温め、鍼で必要な部分にアプローチする組み合わせが効果的。

3. 私が施術する時に大切にしていること

鍼は“最小限の刺激”で最大の効果を

鍼の種類も細いものから太いものまで様々、

刺さない鍼(てい鍼)や太めの鍼をたくさん刺すなど鍼の技法も鍼灸師によって十人十色。

私は髪の毛ほどの細い鍼で、必要最小限の刺激で深部にアプローチします。

最初の「チクッ」ですら感じない方も多くて、「え?刺したの?」と驚かれることも。

痛みが強いところへ無理に刺すのではなく、お身体の状態を見ながら、

深さ・角度・本数を最小限に調整し、できるだけ負担が少ないように施術しています。

“痛くない・怖くない鍼”を大切にしています🌿

お灸は“熱すぎない”心地よい温度で

お灸にも技法がたくさんありますが、

じんわり深く温まる温度を大切にし、熱すぎない・痛くないお灸を心がけています。

あん摩マッサージ指圧は“必要な強さで”的確に

ただ強く揉めばいいというものではありません。軽くさするだけでも効果が出ることもあります。

その人の状態を見極め、身体が自然にゆるむ圧とリズムを大切にしています。

4. 不安な方へ

痛い施術が苦手な方

私が使う鍼(線径0.12~0.2mm)なら、ほとんど痛みを感じにくいです。

不安のある場合は、まずあん摩マッサージ指圧やお灸から始めても大丈夫です。

妊娠中・産後でも安心?

妊娠中や産後は、刺激量を調整すれば安全に受けられます。

状態に合わせて無理のない体位や施術を選びますのでご安心ください。

また、西洋医学と東洋医学の良いところをうまく使い合っていけたらいいなと考えています。

お通いの産院の先生に鍼灸あん摩マッサージ指圧の施術を受ける旨をお伝えいただけるとスムーズです。

まとめ

鍼・灸・あん摩マッサージ指圧には、それぞれ得意分野があり、

症状に合わせて使い分けることで、体の回復力を最大限に引き出すことができます。

あなたの状態に合わせて最適な組み合わせをご提案しますので、お気軽にご相談くださいね🌿